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【症例】顎(がく)関節症

顎関節症の原因

今までの「顎関節症」の実例をまとめると、次のようになります。

  • 女性に多い。
  • ちょっと大きめに口を開くことができない。(お寿司が食べれない位)
  • アゴでカクカク音がする。
  • 物を噛むたびに痛みが走る。ひどい時にはコメカミまで痛くなる。
  • 最近になって痛くなった。(←ポイント)

顎関節症の原因として、「噛み合わせ」を指摘されることが多いです。

成長期の子どもが顎関節症になった場合、確かに「歯の噛み合わせ」が原因かもしれません。

でも、大人が顎関節症になった場合はどうなのでしょうか?

成長期を過ぎ、ずっと問題がなかった噛み合わせが、ある時から急におかしくなった?

ちょっと腑に落ちないですね。

一般社団法人「日本顎関節学会」のサイトでは、顎関節症の原因として「関節円板のズレ」を挙げています。

関節円板は下顎頭の外側と内側にしっかりと付着していますが、前後方向の付着が緩いため、大きな力が持続的に顎関節に加わると、関節円板にズレ(転位)の生じることがあります。

このズレの92%は前方で、8%が内外の側方、ごくまれに後方にも生じます。

また、閉口時に関節円板にズレがあっても、最大開口時にはこのズレが戻る場合と、戻らない場合とがあります。

戻る場合には開口時と閉口時に「カックン」と関節音がします。

また、戻らない場合には、急性期には「口が開けられない」、「口を開けると耳の前が,とても痛い」などの症状がみられます。

~「日本顎関節学会」のサイトより引用~

ここで「大きな力が持続的に顎関節に加わると、関節円板にズレ(転位)が生じる」とあります。

「大きな力」とはどういったものが考えられるでしょうか?

関節を動かすのは筋肉です。

もし顎関節に関係する筋肉のどれかが、カチコチに凝り固まっていたらどうでしょう?

無意識の状態で特定の方向へ顎が引っ張られている状態になってしまいます。

わたしたちが考える顎関節の原因は、

顎の筋肉のアンバランス

です。

そして顎の筋肉バランスを崩している原因が「身体の歪み」です。

試しに右の肩だけ「なで肩」になるように、意識して右肩を押し下げてみてください。

右の首筋が突っ張ってきませんか?

顎関節症の人は、首の横の筋肉の張り具合が左右で違っているはずです。

顎関節症の施療方針

顎関節症でお困りの方には、次の2つに重点を置いて施療していきます。

① 首の筋肉の左右バランスを整える

左右のうち、固くなっている側の首の筋肉を重点的に柔らかくほぐしていきます。

首の筋肉は、肩や背中、腕ともつながっているので、それらも含めてケアしていきます。

② 身体全体の歪みを整える

首の筋肉の左右バランスが崩れる原因の多くは「背骨と骨盤のゆがみ」にあります。

これを正さず首周辺の筋肉をほぐしても、すぐに戻ってしまうことでしょう。

このように最初は首や肩など上半身を中心に施療し、次のステップで腰や脚などのバランスを整えることで、首へのアンバランスな負担をなくします。

噛み合わせが悪いのは「身体のゆがみ」が原因かも

余談ですが、逆に「顎の関節のバランスが崩れる」⇒「噛み合わせが悪くなる」ということも考えられます。

「最近噛み合わせが悪いなぁ」と思ったら、一度首や肩の筋肉をほぐしてバランスを整えると改善するかもしれません。